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ベトナム・ダラット高原、「アジアの野菜庫」目指す-長野県川上村の野菜栽培技術に期待

初収穫したレタスは日本の質に相当すると評価

初収穫したレタスは日本の質に相当すると評価

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ベトナムに長野県川上村のレタス耕作のノウハウが移植されて、8カ月がたった。

日本人直伝の管理方法で作られたレタスを味わう

 ホーチミン市から約300キロ離れたダラット高原が冷涼な気候でレタス栽培に向いていることから、川上村のレタス耕作をベトナムに伝えることを発案したのはHTキャピタル社の土屋泰統社長。ベトナムでは現在、若者の農業離れが進んでおり、農業従事者ほとんどが高年齢化している。栽培技術もあまり改善されず、一生懸命働いても収入が上がらないという現状を目にした土屋社長が、同案件を持ちかけたという。

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 現地の土や水、天候を詳細に調査し、実際に現地で視察行った後、昨年11月に川上村の農業会社「ラクエ」がホーチミンの現地法人An Phu Appと連帯して合弁会社「An Phu-Lacue」を設立した。

 土壌処理を施し、日本の栽培基準を満たした環境を整えてから、今年1月末に5000平方メートルの土地でレタスを試験栽培し無事発芽。種子、肥料資材は日本、米国から輸入する。苗床、種まき、土の耕し方、収穫方法は川上村式のやり方に厳密に従い70日後に収穫できた。

 初収穫したレタスは4月にホーチミンで日本人に試食してもらうテストイベントに出荷され、日本の質に相当すると評価された。この結果により、ベトナム・ダラット高原をアジアの「野菜の卸屋」とする事業展開が有望視されることになった。

 現在アンフーラクエ産の野菜はホーチミン市のイオンモール、7区の各スーパー、コンビニで販売されている。Thegioinongsanという通販サイトでも購入できる。卸価格は1キロあたり2万~3万ドン(約100円~150円)だ。

 同社は、レタスのほか 4~5種類の野菜、果物も栽培する計画で、現在土地の測量、技術の研究をしている。今年末には日本に1週間当たり約5トンの野菜を輸出する計画を予定しているという。

 「ベトナムで発売されて、価格は一般よりやや高いが、購入者に喜んで受け入れてもらえているので、今後有望な事業だと思う。日本と連携して、農業従事従事者や、政府などの協力を得られたら、今後ダラットは「アジアの野菜卸屋」になることができると思う。」と、アンフーラクエ社の副社長Nguyen Van Thanh さんは話す。

 温帯気候のため一年中栽培できるダラット高原は、5年以内にアジア野菜市場の約30~50%を占めるという予測も期待されている。アジアでは、安心して食べられる質の高い野菜を手に入れるのが難しいとされている地域もあるため、今後ベトナムの野菜を求める市場は急速に拡大することが予想されている。

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