ホーチミンのレストランで「暗闇ごはん」-人気集める

フランスの邸宅を伝統的でありながらモダンな雰囲気に改築し、レストランとして利用している

フランスの邸宅を伝統的でありながらモダンな雰囲気に改築し、レストランとして利用している

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 ホーチミンにレストラン「Noir- Dining in the Dark」(1区)がオープンし、真っ暗闇の中で食事をする新しい感覚の「暗闇ごはん」が注目を集めている。同店名はフランス語で「黒」を意味し、フランスの邸宅を伝統的でありながらモダンな雰囲気に改築し、レストランとして利用している。

客は食事の前に真っ暗な状況に目を慣らすために、いくつかの簡単なゲームを行う。その後、 携帯電話、時計、カメラ、ライターなどの音や光を発するものを全て受付に預け、料理を注文する。料理はシェフが客の好み(食材、味など)に基づいて作る。メニューには点字も付いているが食事や歓談は全て真っ暗闇の中で行われる。

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人間の五感のうち視覚を奪われると、他の聴覚、触覚、味覚、嗅覚は研ぎ澄まされ、料理をより深く味わえるほか、自然と人との距離を縮めることもできる。いろいろな想像力がかき立てら普段より面白い時間を過ごせるという。

客は帰る前に、食べた料理の写真を見せてもらう。真っ暗の中に想像したものと違って、面白く思う客は多い。

 オーナーは今まで観光業とレストランを経営してきた ベトナム人のVu Anh Tuさんとオランダ人のGerm Doornbosさんだ。暗闇ごはんについて、2人は「私たちは、このようなレストランを世界中で見て衝撃を受けた。ベトナムにも、こうしたレストランを作ろうと思ったのは昨年末。ホーチミンで目の不自由な人たちと交流することから始めた。彼らはいつも真面目に頑張っているが、コミュニティーに溶け込み、安定した生活の基盤を作るのはまだ難しいように感じた。彼らのメンタルの強さに感動し、レストランを立ち上げる思いはさらに強くなった。今年10月、ようやくレストランをオープンできた」と話す。

 同店では20歳~25歳の目の不自由なスタッフ約10人が働いている。店員の多くが同市の大学にも通って勉学にも励んでいる。ギター、フルートなどの音楽分野で活躍して、国内外のコンテストで入賞したスタッフもいる。

今後の展望について、オーナーのTuさんは「Noirのこのような形のレストランが多くの人々に受け入れられ、それを通じて目の不自由な方たちへの理解が進み、彼らの社会進出を少しでも増やせれば」と打ち明ける。

メニューはスターター、メインコース、デザートで1人48万ドン(約2,700円)~56万ドン(約3,100円)。サービス料5%、税金10%は別。

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