天気予報

31

26

みん経トピックス

特集

インタビュー2016-03-30

ベトナムの子どもの夢をサポートする「公文式」教育、
公文ベトナム

  • 0

ベトナムには近年、日本の学習塾が進出してきています。日本発祥の学習塾である公文は、アジアではなんと15ヵ国、世界49の国と地域に展開しているとのこと。日本の高校の数学教師だった公文公(くもん とおる)氏が始めた公文式教育が、世界で多くの子ども達を育て続けている秘訣は何でしょうか。今回は、2016年で創立10周年になる、公文ベトナムの岩佐社長にお話をおうかがいしました。

公文ベトナム_岩佐社長

公文ベトナム 岩佐雅裕社長

生年月日:1974429  出身地:京都市

ベトナム在住歴:9ヶ月

—貴社の事業概要について教えてください。

ベトナム公文は算数・数学の教材の指導法の研究、ならびに教室の設置・運営管理をしています。

創立したのは1958年で、今年(2016年)で58年になります。公文式とは、当時高校の数学教師であった公文公(くもんとおる)が始めた教育方法です。公文式は、個人別の「ちょうどの学習」を進めることで、やがては学年を越えて進み、子どもの能力を最大限に伸ばすことをめざしています。

—海外展開したきっかけは。

弊社は、一般の教育産業で言われているように国内が少子高齢化のために海外に出ていったわけではありません。

1974年、ニューヨークに海外初の教室が開設されました。日本で公文に通っているお子様の保護者から、海外勤務する際に「公文はぜひ続けたい」というご要望があり、初めはそれにお応えする形で進出していました。

しかし、教室に通う日本人の子どもたちが良くできるということが評判になり、現地の子どもたちが教室に通うようになりました。さらには現地の方が指導者として教室を開設するようになりました。今ではどの国でも現地の子どもたちのために、現地の指導者が指導をしています。

—ベトナムに進出された時期は。

ベトナム法人の立ち上げが2006年、教室を開設が20073月です。2016年で創立10周年になります。ホーチミンに15教室あり、ハノイは2014年に1教室オープンしました。

—主な顧客は。

公文が対象としているのは、その国に住んでいる全ての子どもたちです。ベトナムでは、ほとんどの生徒がベトナム人です。ベトナム語で書かれた教材も用意しています。現在、ベトナムの公文では算数・数学のみを教えています。

—公文教育の特徴は何ですか。

どんな子どもにも、「ちょうど」の学習を与えることにより、勉強ができるようになるということです。「学年を越える」というのは、算数・数学でもその子が得意であれば、小2でも方程式を学習するなど学年を越えて学習できるという考え方です。

また、創始者(公文公)の言葉に「悪いのは子どもではない」というのがあります。これは、勉強ができなかったり、嫌いになったりするのは子どものせいではなく指導する側の問題であるという意味です。

—ベトナムの教室ではどの言語で教えていますか。

基本的にベトナム語です。一部の教室で、英語でしか会話ができない生徒には、英語でコミュニケーションをしています。英語は世界の共通語と言われていますが、数学も英語と同様だと考えています。ベトナムでは割り算の筆算の書き方が違うくらいで、数学は世界共通のルールなので、どの国の人でもできるものです。

—ベトナム進出している他の塾との差別化は。

現地の全ての子どもを対象にしているという点です。ベトナムに進出されている日系の塾は進学塾が多く、日本の学校のカリキュラムに対応した教育や、受験を目的としているところが多いと思います。

公文は日本の教科書の配列とは異なる独自のメソッドで指導をしています。数学を通じてそれぞれ個人のカリキュラムで自学自習できるように力をつけてもらいます。「公文式」というのは、日本でつくられたメソッドではありますが、世界共通のものなのです。

他塾とは対象となる子どもが違うため、競合とは捉えていません。公文独自の路線を展開できたらいいと思っています。

—「日本から来た塾」という理由で入塾される方が多いのでしょうか。

入塾のきっかけは近所の友人知人からの評判が多いと感じます。開設した当初は、「日本からきた数学塾」という理由も多かったです。

—ベトナムへの展開において困難なことはありましたか。

あえて言うなら、教室を開設する際のベトナムの規制です。ベトナムに限らず、教室を新しく開くときには、日本と同じようには開設できないことがあります。規制が違うこと自体が大変ではなく、日本との違いを理解することに時間がかかりました。

—では、実際にベトナムで教室を運営されていて大変なことはありませんか。

大変なことはありますが、スタッフは子どもが好きで、教育に関心があり、数学力などある程度の学力の方が来てくださるので助かっています。公文を気に入ってくれて、初期の頃からずっといてくれている社員もいます。

日本と比べると転職する人の数は多いですが、ベトナム独自の文化と捉えており、教室を開く前からわかっていたことなので変とは思いません。ただ、公文がいいと言って残ってくれる方が増えるといいなと思います。

—ベトナム公文ではスタッフの教育はどうしていますか。

ベトナム人スタッフが、他のスタッフを育てています。しかし、教え方の細かいマニュアルありません。子どもを育てるうえで軸となる考え方だけを教えています。つまり、スタッフには「公文式」という思想を共有しているだけなので、共感、理解してもらいやすいのではないでしょうか。

詳細な教材の使い方はありますが、子ども一人ひとりによって指導を変えて対応しているため、指導のマニュアル化できません。たとえば、教材を学習する際は必ず時間を計り、何分から何分の間でその教材ができれば先に進めるという「標準完成時間」というものを設けています。学習をして、ただ正解を出すだけでなく、できた時間と正解数の両方を見て生徒の学力を測ります。

—スタッフとのコミュニケーションで困ることは。

スタッフに頼んだら意図したものと違うものがてくることがありますが、それはそれで一旦受け止め「私の頼み方のどこが悪かったのか」と考えます。そして次は如何に公文式の考え方にあわせてもらおうかというのを私の判断で決めます。そのときはどっちが子どものためになるかという基準で決めています。

—公文のロゴの顔のマークには、どんな意味がこめられているのですか。

THINKING FACE"といいます。

子どもは学習のなかで頭を使って考えますし、保護者の方も一緒にThinkingして、どうやったら子どもの可能性を最大限にばせるか考えていこうという思いが込められています。

—では、これからベトナムでビジネスをする方へ、メッセージをいただけますか。

公文としては、その国の文化や風習を大切にするものの、国によって教材や指導方法を変えないことを方針としていま。ベトナムだからといって、日本とは教材や指導方法は変えないということです。実際に教材は問題文こそベトナム語ですが、問題の配列など教材は日本と同じになっています。

あとは、日本とは違う国なら文化も違って当然理解をすること、現地の社員としっかり話すことです。「これってベトナムではどうなの?」「ベトナムの学校や子どもはどうなの?」など質問してみることです。

—岩佐社長は、どんなふうに子どもたちを育てていきたいと思いますか。

子どもの夢を、公文の教育を通してサポートしていきたいです。

数学が得意になって、人生の幅が広がればいいと思っています。数学が苦手なせいで人生の選択肢をせばめることはあってはもったいない。高度な学力を身につけるだけでなく、自学自習、つまりら課題に向かって解き進んでいける力を育んでいきたいです。

—ベトナムで成し遂げたいことは何ですか。

公文に来てくれた子どもたちが輝くことです。事業拡大はあとからついてくることだと思います。数値的な目標は社員とは共有していますが、大切なのは子どもたちの成長です。理念に基づいて、社員同士の「子どものためにこういうことをやりたいよね」という気持ちを大事にしてやっていきたいです。

過去の社長インタビュー特集

マーケティングで世界トップを目指す 電通ベトナム

美味しいお菓子でベトナムの人の笑顔をつくる ロッテベトナム

ベトナム人に愛される味を日本の技術で再現 エースコックベトナム

日本の配送クオリティを海外へ展開 SG佐川ベトナム、佐川急便ベトナム

グローバルフォトニュース

最新ニュース

フォトフラッシュ

 似た点がある一方、文化、飲食、旅行、買い物の異なる点も挙げている。テーマパークやナイトライフをより楽しみたい観光客へはホーチミンを勧め、「ショッピングも楽しめ地元の人も親切にしてくれる」と掲載。ハノイはギャラリーや美術館が充実していて、食事は南部の甘い味付けとは違う点を挙げている。
[拡大写真]

アクセスランキング