3密を避けて新しい生活様式へ!

特集

日本の配送クオリティを海外へ展開 SG佐川ベトナム、佐川急便ベトナム

  • 0

  •  
SG佐川ベトナム、佐川急便ベトナム 島﨑順二社長 
◆1969年7月10日生まれ ◆ 出身地:大阪市此花区

—まず、会社の事業概要について教えていただけますか。

当社は、1997年に合弁会社を設立しました。当初は公安 省管轄の物流会社が合弁先でしたが、2008年に現在のパートナーであるSong Lan社に変更になり、現在は70%が当社グループで、残りの30%がベトナム企業のSong Lan社です。

事業内容は、フォワーディング事業(航空貨物輸送、海上貨物輸送)、通関業、倉庫業(一般倉庫、保税倉庫、CFS倉庫の3種類の倉庫)を含むロジスティクス事業(3PL、物流加工)を行っています。また、トラック輸送と宅配便事業(混載便輸送)、日本向けの国際エクスプレス事業やプロジェクトカーゴや引越しも取扱っており、物流に関する事業は、ほぼカバーしています。

—ベトナム進出当時のことについて教えてください。

もともと香港で取引きのあったアパレル関係のお客様がベトナムへ進出される際、当社グループに物流サービスを依頼されたことがきっかけです。1998年ホーチミン市THU DUCにあるリンチュン工業団地に倉庫を建設し、物流事業を開始致しました。ちょうど日系企業の第二次ベトナム進出ブームのタイミングと重なったこともあり、日系企業の荷物も取扱いさせて頂きながら創業し始めました。

—主な顧客は。

現在、主要顧客の約90%は日系企業となっております。残りは、外資企業やベトナムローカル企業です。取扱っている商品、アパレル関係や機械部品関係のお客様が多いですね。最近では、イオン様やファミリーマート様、TVEC通販サイトなどの宅配便事業(混載便)の荷物も増えてきています。

—ベトナムに対してこれからの成長を感じますか。

日本の「佐川急便」という名前の認知度は日系企業にとっては高いと感じていますが、今後はベトナムのローカル企業や外資企業に対しても積極的にアピールしていくことにより、まだまだ裾野を広げて行けると考えております。

ASEAN共同体が12月末に始まる中で、今後はASEAN諸国を一体と考えたボーダーレス輸送が必要になってきます。また、来年ベトナムがTPPに加盟すると、特にアパレル関係、靴やバッグ等については、今の数倍は輸出されると予測されているので、我々としては期待値が非常に高いですね。

—ベトナムで、日本と比較して困難なことはありますか。

特にライセンスの取得に関して、様々な書類を出す必要があり、当初予定していた取得期間の倍くらい時間がかかったりします。

また、交通法規が守られておらず、危険運転が散見されたり、もらい事故があったりと、公共道路を利用して事業を営む我々としては悩みどころです。

—貴社の教育制度で、ベトナム人新人ドライバーは1週間の日本式研修があるとお聞きしたのですが、どのような内容なのでしょうか。

営業研修は、日本国内とほぼ同じやり方をしています。私自身も、佐川急便へ入社した際研修を受けたのですが、まずは大きな声を出して「物事をはっきりと伝える」ことができるように訓練します。更には、挨拶の徹底、身だしなみ、名刺交換の仕方も教育します。それが営業活動の第一歩だと感じています。

日本の当たり前は、ベトナムでは当たり前のことでなかったりします。営業活動は、まず第一印象が大事なので、日本式の挨拶、礼儀を初めの一週間の中で徹底的に教えていきます。

—同業他社との差別化はどのようにつけていきたいと考えていますか。

手っ取り早いのは価格を下げることですが、価格での戦いはまだ先の話だと思っています。

まずは、お預かりした形のまま配送し、荷受人様へお届けすることを基本に、品質維持の面で差別化を図っていきたいと考えております。

また、輸送中にトラブルが発生した時、いち早く柔軟に対処していくことも顧客満足度に差を付けるポイントとなると思っています。お客様の立場に立って物事を判断し、責任を持って対応していくことが大切だと考えています。

更に、配送ネットワークの拡大がキーポイントになると考えております。現在当社は、業務委託先を含めれば全国配送は可能ですが、自社の配送ネットワークは、ホーチミンとハノイ、ハイフォンの一部までしか御座いません。今後は自社配送可能エリアを広げ、お預かりからお届けまで全ての物流業務をワンストップサービスで提供できるような体制を構築して行きたいと考えております。

—今後、ベトナムで成し遂げていきたい目標は何ですか。

総合物流企業としてワンストップサービスの提供を実現するために、事業領域の拡張を進めています。フォワーディング事業とロジスティクス事業、デリバリー事業などを組み合わせてお客様の物流の全てを当社に任せていただくことによって、価格面や品質面でお客様にご満足いただけるようにしていきたいと考えています。そのために必要な新規事業やライセンスは全て用意し、パッケージサービスとして提供していきたいです。

—ベトナムでビジネスを成功させるために必要なことは。

日本人だけでは何も出来ません。いかに、ベトナム人の優秀なスタッフを育てていくかがポイントだと考えております。例えば、業績が良くなれば、評価に応じて給与もボーナスもアップする。収入がアップすれば、みんなもっと頑張る。そうすればもっと業績を伸ばす事が出来る、というような「良い循環」をつくることが、私の仕事だと考えております。社内の評価制度、給料制度、ボーナス制度については、試行錯誤しながら作り上げました。スタッフのモチベーションを上げていかないと、サービスの向上にもつながりませんしね。

業績のアップダウンはありますが、悪いときは「次はがんばろう」とローカルスタッフ自ら前向きに考え、創意工夫できるような雰囲気を作ることを心がけています。

2016年の展開について教えて下さい。

先程も申しました通り、ワンストップサービスを提供するために、幅広い事業のライセンスを取得したいと考えております。直近で言うと、来年9月頃にホーチミン近郊に大型物流ハブを建設予定です。そのなかには、保税、一般、3温度帯の倉庫を完備させ、更に物流加工エリア、トラックの混載便輸送のセンターも併設させる構想があります。

また次年度からは、海外事業の中期3ヵ年経営計画が始まります。3年後には、2015年度売上の2倍を目指すため、今後更なる需要が見込まれるベトナム国内外向けの通販ビジネスやテレビ通販などの輸配送業務も取り込みたいと考えています。

—通販事業について、11月にサービスが開始された日本品質のものを扱った通販サイトagatajapan(スターマーク社)との業務提携を発表されましたね。

そうですね。このサイト(agatajapan.com)で購入いただいたお客様には、日本の商品品質だけでなく、配送品質に関しても実感していただければと考えています。最終的にはエンドユーザーから「デリバリーはSAGAWAだから安心」と思っていただけるようなブランドイメージを広げていきたいと考えております。

—ベトナムならではの仕事のやりがいは何ですか。

今は、右肩あがりで業績をアップさせることができているので面白いですね。また、私が決裁できる範囲も広い、というのもやりがいを感じます。もちろん私だけでは決裁ができないものもありますが、その場合はシンガポールの海外事業統括会社に上申し、承認して頂きます。ただ、その場合でも日本国内よりも圧倒的なスピード感があると感じることができますね。

また、日本では人事、経理、営業など、それぞれが部門毎に分かれているいますが、ベトナムでは全て私が管理・統括しています。やらなければならない仕事の種類は多いですが、自分が直接スタッフに指示し、それが結果として業績につながっていくということに面白味を感じます。

—ライセンスの問題、文化の違いなどやはり日本との違いにとまどうこともあるようですね。最後に、ベトナムでの生活自体はどう思っているでしょうか?

生活するには非常に良いと思います。ベトナムでは「なんでこうなるのかな」と疑問に思うような予測不可能なことが時々起こりますが、次第に「仕方ないな」「そういう考え方もあるのだな」と思うようになり、視野が広がり価値観が変わって、日本では当たり前だと思っていたことが、当たり前ではないということが分かりました。

生活面に関しても、不自由は無いです。治安も比較的良いですし、食事について日本食レストランも多いし、インターネットテレビもあり日本の民放も見る事が出来ます。昔は停電も多く、テレビが観たいと思って電源を入れた途端に停電になったりしていました。今はそういうことも少なくなったので、生活する上では本当に良い国だと思いますよ。

  • はてなブックマークに追加
Stay at Home