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インタビュー2016-03-05

マーケティングで世界トップを目指す 電通ベトナム

ホーチミン経済新聞、社長インタビュー特集第4弾。ベトナムに進出している日系企業で活躍する企業の社長にお話をうかがいます。今回は、ベトナムでマーケティングサポートを手がける電通ベトナムの篠田社長のお話を頂戴しました。毎年、大きく経済成長しているベトナムにおいて、マーケティングの意識は高まっているのでしょうか。


電通ベトナム 篠田学 社長

生年月日:1971315日  出身地:神奈川県茅ヶ崎市

まず、事業概要について教えてください。

マーケティングに関わる全般、広告、宣伝です。「トータルコミュニケーションサービス」を提供しています。企業のマーケティングサポートなどマーケティング全般、ビジネスコンサルティングの仕事も増えてきています。お客様は日系の企業が約7割、非日系の企業が約3割です。ローカルのみならずインターナショナルクライアントともお取引しております。

2年前に、本社がイージスメディアというイギリスの会社を買収しました。それをきっかけにグローバルに舵を切り始めました。それまでは日系のクライアントの海外進出のマーケティングサポートなどをしていました。電通の日本国内での強みが海外で十分生かされていませんでした。現在では海外事業に重きを置き始めています。今では海外のほうが日本よりも売り上げが大きくなりました。

組織も変わってきていて、以前は日本本社にレポートしていましたが、現在はイギリスが海外本社なので、イギリスにレポートをしています。イギリスが海外事業に関する責任を持っているのです。

なぜベトナムを含む海外に力を入れ始めたのですか。

日本のマーケットは縮小傾向にあります。電通は、世界のトップをとりたいと考えています。そのために海外のメガ広告主とのお取引を増やしたり、買収、MAを増やしたりしています。

ベトナムの広告業界の特徴は何ですか。

ベトナムの広告マーケットはまだまだ小さいです。東南アジアでも下から数えたほうが早いくらいです。広告業界の規模が、日本では6兆円なのに対し、ベトナムでは千数百億くらい、2%ほどの小さいマーケットです。しかし、ベトナムの広告マーケットは毎年2割ほどの成長率で大きくなってきています。

ベトナムは非常に歴史が浅く、若くて優秀な人材は多いと思いますが、とにかく経験値が少ないことが今後の課題だと思います。

他の国と比べると、マーケティングやアドバタイジング、ブランディングの社会的地位が低く、認知されていません。

最近ベトナムにおけるマーケティングへの意識は高まっているのでしょうか。

今までは、マーケティング意識は希薄だったと思います。例えば、広告と言ったらテレビのコマーシャルを打てば良いという感覚でした。最近はお問い合わせをいただくなかで、より統合的なマーケティング戦略の必要性をベトナム人は感じ始めていると思います。社会主義の国ですので競争社会としての歴史が浅いこともあり、外資系の最先端のマーケティング手法に苦戦していることがあります。敏感なローカル経営陣はその問題に気づき始めて、徐々にブランディングやマーケティングを意識し始めています。

若い人、学生でマーケティングを志す人は少ないですか?

若い人はそれなりに多いと思います。随時インターンを募集しており、希望者も多く来ています。奨学金を使って大学でのマーケティング講座もしています。それよりももっと上の世代の理解が低く、中間管理職が少ないです。

他の日系代理店との差別化はどのようにしていますか。

ネットワーク力が明白に違います。電通イージスネットワークは2万人以上、120カ国以上にいます。電通本社100年以上の歴史で培ってきたノウハウ、買収によるシナジーや、マーケティングのツール類・データが豊富に揃っています。我々の強みはDNAとしている「お客様のビジネスに資すること」です。我々はお客様のビジネスにとって良いと思われることを提案・実行しています。

また、ビジネスマッチングのようなこともしています。当社としてはメリットがない場合も、マッチングする企業にメリットがある場合はやっています。マーケティングの一環にもなっていると思います。

ベトナム人消費者に対してどんな広告をつくりますか。

ベトナムでは特に、日本の相対的地位が高いです。ジャパンプレミアムがききやすい国の最右翼です。台湾とベトナムが東南アジアでもっとも親日国で、「日本」というブランドを活用しやすい土壌があります。とは言え、あまり日本という特徴だけでは飽きられてしまうので、他に売り出す強みを作っていくべきだと考えています。

広告をつくるうえでベトナムの難しいところは。

広告においては「ストレートなコミュニケーション」を好む傾向があるのではないでしょうか。複雑な広告表現だと伝えたいことが通じません。シンプルにストレートな物言いのほうが伝わりやすいということです。広告コミュニケーションに対する経験値、情報値が少ないということが背景にあると思います。

日本人スタッフとベトナム人スタッフの比率は。

社内58人、日本人10名、外国人数名、残りはベトナム人です。日本人が10人いるのはベトナムでは多く、他国に比べても多いです。仕事をするうえでは日本人がいる方がやりやすいので、仕事を円滑に進める上で必要になっています。日本人が必要な環境にあるということです。

営業であればベトナム人のスタッフが担当するのですが、広告制作、クリエイティブはやや技術職なのでベトナム人では経験値がまだ足りない部分があります。

電通ベトナム オフィスの休憩スペース

ベトナム人スタッフの教育、育成はどのようにしていますか。

基本はOJTですが、リージョナルサポートもあります。社内での独自の研修も実施しています。

人材難で苦労することが多いです。かなりハンズオンで手取り足取り教えないといけません。

業界的に転職が多く、複数の会社でキャリアを形成するので良い人材を得るのは難しいです。それでも当社の離職率は少ないほうです。もともとは日系企業で働きたいということで入社するベトナム人も多かったですが、それも最近は意識がかわっていきています。日系企業だからというのではなくグローバルな仕事がやりたくて入社する若い人が増えています。

篠田社長にとってベトナムで仕事をすることはどうですか。

ベトナムに来て11月で3年経ちました。マレーシアに、3年半、シンガポールに、6年半いました。ベトナムの人は非常に若く、エネルギーをいただくのでやりがいがあると思っています。ビジネスの難易度はシンガポールやマレーシアより高いと思っています。社会制度を含めて発展途上なのでビジネスを進める上で障壁が多いですね。

仕事のやりがいはなんですか。

スケール感、いろんな業種の人とお会いできて自分の成長にもつながることです。会社を運営させていただいている立場としては、ここで働いている方々がハッピーになるということがモチベーションにつながります。従業員の満足度をあげることが、結果的にお客様の満足度につながると信じてやっています。

ベトナム人従業員の満足度をあげるためにどんな工夫をされていますか。

チームワークをあげていくことです。会社単位での行動をひとつでもあげるため、単純ですが一緒に食事をしたり、社員旅行を企画したりすることです。とにかくいろんな機会をつくって一緒に行動することが大切だと思います。

難しい仕事や、スケールの大きい仕事、国のためになる仕事をつくっていきたいです。

ベトナムでの目標は。

ベトナムでの広告の社会的地位の向上に努め、社会に貢献していきたいです。

日本でお取引のある日系のお客様や、新たにベトナム進出する日系企業のマーケティングサポートだけでなく、マーケティングの重要性を感じて始めているベトナムローカル企業のサポートをしていくことです。

それによって、ベトナムにおいてマーケティングやブランディング分野の社会的地位の向上を目指したいです。

そのために、国や政府への働きかけをしています。広告業界の認知を得ないと優秀な才能も入りにくいと思うので、認知を獲得する運動をしています。

今はまだ日本人が仕事をしている部分が多いですが、ローカル化していくのが理想なので、将来的に日本人がいなくなることを目指したいと思っています。
            電通ベトナム オフィス受付

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